全て知っていますか?女性が気になる子宮の病気の種類
月経の様子がいつもと違う、おりものから異様な匂いがする、不正出血がある……など女性が悩む症状はさまざまです。実はそのような症状は子宮の病気が原因だったという場合が多くあります。そこで今回は、子宮のトラブル、病気についてまとめました。
子宮の形、仕組み
子宮は、洋ナシを逆さにひっくり返したような形をしています。子宮は、20~40代には鶏卵程度の大きさですが、閉経する頃から徐々に小さくなり、親指の大きさにまで縮みます。
子宮体部
子宮の上部3分の2を占めるふくらんだ部分。子宮筋腫や子宮体がん、子宮内膜症が起こりやすい病気です。
子宮頸部
子宮の下部3分の1を指します。子宮筋腫や子宮頸がんが発生しやすい場所です。
子宮口
子宮の開口部で、月経血や分泌物がでる場所です。
子宮底
子宮の一番上の部分のことです。
子宮腔
子宮内部の空洞になった部分のことです。
漿膜
子宮の外側をおおっている薄い膜です。子宮筋腫や子宮内膜症が発生しやすい場所です。
子宮筋層
厚さ1~3cmの筋肉の層です。子宮筋腫や子宮内膜症が発生やすい部分です。
子宮内膜
子宮の内側をおおっている粘膜を指します。女性ホルモンの影響で周期的に厚くなったり、はがれ落ちたりして、月経が起きます。ここでは、子宮内膜炎や子宮体がんが多く発生します。
子宮頸管
子宮頸部の内側、子宮腔と子宮口の間の部分です。子宮頸管炎や子宮頸管ポリープが起こりやすいです。
子宮腟部
子宮のいちばん下の部分で、腟に面しています。子宮腟部びらんや子宮頸がんが発生しやすい部分です。
子宮の病気一覧
子宮筋腫
婦人科の病気のなかでは最もよくある病気といわれています。子宮の筋肉に硬いコブのようなものができる病気で、30代以上の4人に1人は筋腫を持っています。月経量が増えたり、不正出血、おりものの増加などが見られた場合は要注意です。また、筋腫が拡大すると周囲を圧迫し、便秘や頻尿となる場合があります。
子宮内膜症
子宮内膜は、通常は子宮内部にあるものですが、腹膜や卵巣など子宮の内側ではない場所に発生する場合があります。子宮内部以外でできた子宮内膜も、その場所で周期的に増えたり剥がれ落ちたりするため、激しい月経痛を起こします。
子宮腺筋症
子宮腺筋症は、子宮内膜症とは異なり、子宮内膜が子宮の筋肉内にできる良性の病気です。強い月経痛を引き起こしたり、月経量が増加し貧血になったりする場合が多くあります。また、子宮筋腫や子宮内膜症、不妊症を合併している場合も多く見られるため、良性の病気ではありますが、注意が必要です。
子宮頸管炎
子宮頸管が病原菌に感染して炎症が起きる病気です。病原菌としては大腸菌やブドウ球菌、淋菌や結核菌、そして最近増えているのがクラミジアによる感染です。症状としては、黄色いおりものが多くなったり、セックスのあとに出血することがあったりします。淋菌やクラミジアで感染した場合、自覚症状がない場合が多く、放置すると不妊の原因にもなってしまいます。
子宮腟部びらん
実は、子宮腟部びらんは病気ではなく、ある一種の生理的変化です。また、子宮腟部びらんには特に症状がなく、おりものの増加程度です。ひどい症状出ない限りは治療の必要はありませんが、子宮腟部びらんがあると、子宮頸管炎などの病気が発生しやすくなるため注意が必要です。
子宮頸管ポリープ
子宮頸管の粘膜に発生した良性の2~10mm程度の腫瘍が子宮口から垂れ下がってくる病気です。ポリープの粘膜は出血しやすいため、不正出血が見られることがありますが、自覚症状がない場合もあります。また、手術で切除しても再発の可能性がある厄介な病気です。
性感染症(STD)
性感染症はセックスで感染する病気の総称です。病原菌やウイルスは、性器の周辺、精液、腟分泌物、血液などにあり、オーラルセックスやディープキスによっても感染します。性感染症は、性交渉の経験があれは誰でもかかる可能性のある病気です。多くの性感染症に自覚症状がなく、不妊症の原因になる場合もあります。
子宮頸がん
子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部にできるガンです。ヒトパピローマウィルスの感染が主な原因とされています。セックスで感染するウイルスのため、約80%の女性が一度は感染しているといわれています。近年20代の若者に子宮頸がんの発症が増えているため、早期発見のために、20歳を超えたらは子宮がん検診を受診しましょう。
子宮体がん
子宮体がんは、子宮内膜にできるがんです。子宮頸がんとは異なり、子宮体がんは40~60代の更年期を迎えた女性に多い病気です。初期症状がない場合が多いですが、不正出血やおりものの増加、下腹部痛がある場合は要注意です。ガンが進行すると、匂いのきついおりものが出るようになります。
子宮の病気は早期発見が大事
上記で紹介した子宮のトラブルや病気は初期症状や自覚症状がない場合が多く、気付きづらい病気です。しかし、早期発見により治療がしやすくなる病気ばかりです。子宮がん検診を1年に1度は受けるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか?子宮のトラブルは女性にはつきものです。子宮の病気についてよく知り、月経やおりものなど普段の生活で異変を感じたら、婦人科にかかるようにしましょう。